2009年 <新>塾の記録

No. 年月日  テーマ 担当               会場         
1 09/04/10  珈琲屋バッハ物語 田口護(櫻井孝昌) 珈琲屋バッハ

2

09/06/17 ブレスト「食と写真」 伊藤真理 eat-photo 辻調新宿事務所
3 09/06/19 フランスの食の中の豚 北代美和子 文藝春秋
4 09/07/17 中国料理・本質と衝撃  吉岡勝美 福冨奈津子 辻調新宿事務所
5 09/08/21 読書会・辻静雄を読む 山内秀文 辻調新宿事務所
6 09/09/18 ブレスト「食とテレビ」 本郷義浩 辻調新宿事務所

 7

  09/10/29  「家族×世代からみた食」   澤口恵一 

 新宿 

 8


  09/11/27

「覚醒と酩酊のコミュニケーション 

コーヒーとカフェ論」   

小山伸二  新宿
 9  09/12/16 <新>塾の忘年会! 皆さんで  新宿

9 12月16日 辻調<新>の忘年会!

こんなふうになった人は、いませんでしたよW!
こんなふうになった人は、いませんでしたよW!

参加された皆さん、よく飲み、よく食べ、よくお喋りされました!

 

そして、たくさんの差し入れもありがとうございました。

 

とくに、Yさん、キビナゴの一夜干し、美味しかったですよ(ついに、事務所ないで、魚をあぶってしまいましたw)!

 

来年もどうぞ、よろしく!

 

どうぞ、よいお年をお迎え下さいませ。

8・・・・覚醒と酩酊のコミュニケーション 小山伸二

覚醒と酩酊のコミュニケーション論、よたよたのままで、なんとか話をできました。

 

しかし、臼井隆一郎さんが参加されたのにはびっくりでした。

 

 

なお、私のなんちゃって、コーヒー論文はこちらで読めます!

http://www.tsujichoshinjuku.com/archive-1/

 

 

7・・・・「家族×世代からみた食」澤口恵一さん

テーマは、「家族×世代からみた食」

スピーカーをつとめていただいたのは、大正大学の澤口恵一(人間学部)さんでした。

 

さまざまな資料を使いながら、日本における「家族」の変遷と「世代」をダイナミックにとらえながら、「食」を巡る環境変化(あるいは変わらない部分)などを見ていく。その手法や、捉え方の問題意識を提供していただきました。

 

とかく、個人の思い込みや、先入観、あるいは、発言力のあるオピニオンリーダーの意見に惑わされることなく、いかにバランスのとれた場所(科学的、客観的とも言い換えることが可能な領域)で、家族や、世代といった切り口から食の現状を見ていくのか。そのことは、必ずしも容易なことではないものの、社会学の立場からの澤口さんの問いかけは、示唆に富んでいたと思います。

 

30名近い参加者による活発な議論も誘発しつつ、これまでの「勉強会」には見られなかった新しい視点も引き入れられたと思います。刺激に富むお話と、勉強会に初参加者の方々のご意見など、これからの<新>塾にとっても、発見の多かったテーマになりました。

 

来年も、引き続き、「家族」や「世代」からの視点による「食の問題」を考えていきたいと、考えております。

6・・・・「食とテレビ」本郷義浩さん

「食とテレビ」というテーマで、スピーカーは、大阪の毎日放送のプロデューサー本郷義浩さん。

 

参加者は、今回は当日欠席の方が数名いらっしゃって19名でしたが、ほぼ全員の方に発言していただき、「ブレストの会」らしくなりました。

 

まず、本郷さんが制作されている「魔法のレストラン」から、大阪・鶴橋の焼肉店の名物女主人のドミュメンタリーをみんなで見たあとに、20分ほど、お話を聞く。

 

本郷さんは、1枚のマインドマップで、まさに自分の「食=料理とテレビ」像を、マップ化して、わかりやすく話をしてくれました。

 

テレビマンって、こんなにもいろんなことを考えながら番組を作っていらっしゃる、まず、そのことに敬服しました。

 

テレビ番組(とくにご自身が担当している「魔法のレストラン」の場合で)の4方向の特性のバランスを考えながら番組を構成する。その4方向とは、

①娯楽性

②情報性

③社会性

④情動性

である、と。

 

やはり視聴率をとるためには、情報性や娯楽性は欠かせない。

また、現代において、テレビのようなマスメディアには、食の分野においてはとりわけ、社会性も求められる。

そして、以上の3つの方向性もバランス良く(あるいは、時間帯・番組内容に応じて戦略的に比重を変えながら)、最後には情動性の方向、つまり人間ドキュメンタリー的な「感動」をよぶ番組にしていきたい。

そういうお話でした。

 

また、今回は、辻調が一緒に料理番組を作らせていただいている「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」の長谷川さん、「二人の食卓」の山本さんも参加。

なかなか、盛り上がったブレストの会でした。

5・・・・「辻静雄を読む①」フランス料理の学び方

読書会シリーズの第1弾「辻静雄を読む① 『フランス料理の学び方』 」。

 

中公文庫版をベースに、まずは、ナビゲーターの山内秀文(辻静雄料理教育研究所所長)より、文庫版の構造と、本が書かれた前後10年のフランスと日本の料理業界の状況を解説(1960年から1980年まで)。

 

また、ナビゲーターのサポーターとして、辻静雄料理教育研究所の主任研究員・八木尚子も参加していただき、資料として、現在、日本語で読めるフランス料理史関連書籍の資料を配布してもらいました。

 

当時の時代背景をベースに本書が書かれたいきさつ(当時の辻静雄の授業の講義録をベースにしている)などを、さまざまなエピソードを交えながら紹介。

 

ここまでで、結構、時間をとってしまい、参加者の方々からの質疑応答に少し時間がさけなかったかも知れません。

 

初めての「読書会」。次回に向けて、進行など、さらに工夫していきます。

 

参加された方々、ナビゲーターの山内先生、八木先生、ありがとうございました。

4・・・・「中国料理の本質と衝撃」 吉岡勝美 福冨奈津子

「中国料理の本質」を語る福冨先生
「中国料理の本質」を語る福冨先生

「中国料理の本質と衝撃」と題した7月17日の勉強会には、総勢30名の方が集まりました。

当初、25名ということでしたが、急遽、席を追加しての開催。30名までは、このフロアに入れることがわかりました。

 

さて、まず、トップバッターの福冨奈津子先生。辻静雄料理教育研究所の研究主幹。

共著として「料理で学ぶオイシイ(好吃!)中国語」(朝日出版社)、「現代の香港を知るKEYWORD888」(三修社)があります。

 

福冨先生の話を簡単にレジュメしてみます。

 

まず、「中華料理と中国料理(中国菜)」の違いはなんでしょうか、という問いかけから。普段、何気なく使っている「中華料理」「中国料理」。この言葉の使い分けでも、中国の国土と歴史の広大で複雑なところがあるらしい、とまず気づかされれます(先生の見立てでは、台湾では「中華料理」と、「中華」の言葉を使うが、中国本土では、中国料理=中国菜と、呼んでいる)。

 

さて、中国料理とは何か、というテーマで、まず、漢字で表現する調理法として、中国料理といえば「炒」という印象が強いが、実は、まずは、煮込みを表す漢字の数が圧倒的に多く、歴史的にみても、「煮込む」調理法が古かった。また、それ以外の「蒸す」「焼く」という調理法も当然、古くからあり、また、これらの調理法を複数、組み合わせて料理を作っていくのも、また中国料理の特長ではないか、という話で、パワーポイントと手書きの漢字の紙を交互に示しながらのお話には説得力がありました。

やはり、中国は「言葉』の国でもあって、なるほど、言葉から料理の歴史、本質も見えてくるのかな、という感想を持ちました。

 

あと、中国料理では「生ものを食べない」ということと、漢方的な健康志向、健康への考え方が料理のなかでもあって、たとえば、料理の温度、「おいしさの温度」ということを考えても、中国料理は、他の国に比べても高い温度帯を好む。また、中国料理で「冷」と言っても本当は常温くらいのことで、ほとんどの料理は、熱いか、熱くない=常温=冷である、というお話は興味深いものがありました。

また、中国料理で、本当に冷たいものを表現するときには「氷」の漢字を使うとか。

淡水魚が多い中国のなかで、「生もの」をさけたり(かつては食べていた時代もあったが、おそらく元以降、避けるようになったのでは、という)、極端に冷たいものを避けるというのも、中国料理が持っている健康志向の表れではないだろうか。

最後に、かつての料理の最先端を走っていたのは香港の料理だったが、最近の傾向としては、やはり、上海にシフトし始めているような気がします。今後は、上海の料理の動向に注目するべきではないだろうか。

 

以上、福冨先生のお話の要約でした。

 

 

 


「中国料理の衝撃」
「中国料理の衝撃」
勉強会で講演中の吉岡先生
勉強会で講演中の吉岡先生
上級湯の仕上げをチェックする吉岡先生
上級湯の仕上げをチェックする吉岡先生

吉岡勝美先生は、辻調理技術研究所の中国料理主任教授。

 

吉岡先生には、「中国料理の衝撃」ということで、ご自身の香港研修体験などを中心にお話をしていただきました。

 

吉岡先生は、1981年・香港「敬賓酒家」、1987年・香港「富麗華酒店」、1996年・広州「広東大厦・潮苑春」と研修されています。

80年代の香港の中国料理の絶頂期のお話で、当時の日本国内の中国料理の水準からみて、まさに「衝撃」的なレベルの食材、技術の世界を目の当たりにした、ということでしょう。

 

また会場に、干しアワビの現物を持ってきていただいて、上質のアワビの見分け方などもお話いただきました。

 

また、最後に、吉岡先生の特製の「上級スープ」と「月餅」の試食も。

 

いままでの勉強会にはない試みで、大変、好評でした。やはり、食の話は、話だけではなく、体験も伴わないと。

 

いつもいつも、同じようにできるわけではありませんが、今後とも、いろいろと企画を模索します。

 

交流会は、このあと、皆さんで活発に行なわれ、深夜遅くまで続きました。

 

スタッフの皆さん、ご苦労様でした!

 

 

 

 

 

 

7月17日 「中国料理の本質と衝撃」

 

いよいよ、明日、辻調<新>塾、ブレストの会第2弾「中国料理の本質と衝撃」を開催します。

 

今回は、30名近い参加表明があり、明日は、ただでさえ暑い東京・新宿の夜が燃えることでしょう。

 

中国。とてつもない歴史と広大な土地を擁するこの国の料理、食文化の本質にわずかでも迫れればと、思います。

 

スピーカーの二人は、辻調屈指の理論派と天才料理人の最強チームです。

 

ブレスト&交流会の模様は、追って、報告いたします。

 

 

 

3・・・フランスの食における「豚」 講師:北代美和子

勉強会 フランスの食における「豚」

 

講師の北代美和子さんは翻訳家として活躍。

翻訳されている本のなかには食関係の本も多く、J.-L.・フランドラン、M・モンタナーリ編の『食の歴史』(藤原書店)では、監訳を担当されています。

 

食、食文化に関心の高い北代さんは「辻調アキバ塾』時代からの常連メンバーのお一人でもあります。

今回のテーマは、北代さん自身に選んでいただきました。

ランスの食文化のなかで、豚が占めて来た『位置と役割』を考えます」、ということでした。

 

当日、会場で流されたパワーポイントを簡単に追いかけてみると。

 

・1970年代末(ヌーベルキュイジーヌ)

 肉料理における豚の割合

・家庭の豚料理

 『マリ=ルイーズのレシピ集』1982年

・豚のイメージ

 農村 家庭 庶民 保存食

・ガリアの豚 ガロ=ロマン期

・フランク時代 生産の場としての森林

・レシピの三角形(レヴィ=ストロース 1968)

・中世 森林の利用制限

・社会の三極化

 聖職者・世俗領主・農民←都市住民

・言葉に反映された階級差

 生きているとき(pic) ⇔食肉になったとき(porc)

・パリの豚

・聖アントニウスと豚

・パリの肉『パリの家政書』(1393年頃)

・存在の大連鎖

 神 火 空気 水 土

・医学の影響

・豚の復権

 1990年代後半

・豚肉をあつかう同職組合

 肉屋 ロースト肉屋 豚肉加工品屋

 

これだけご覧頂いても、当日の内容の濃い「講義」内容が想像いただけると思います。

 

すべてを要約するのは難しいですが、まずは、古代から中世までの「豚」の黄金時代があって、存在として尊敬を集めていたという事実。

その頃のヨーロッパの豚は豊かな森林のなかで自然に飼われ、ドングリを食べていた。ところが、中世以降、森林が世俗領主などによって独占的に占有されるようになると次第に家畜としての豚は、庶民の下世話な食材という風に食文化的にはその地位が転落していく。

その例証として、つい最近までは、「豚料理」は、フランスの高級レストランでは決してメニューに登場してこなかった、ということ。

また、いっぽうで、豚は、加工品として大半が消費されているという事実。その一方で生鮮食肉としては、子牛、羊などに比べると影が薄い、という事実。

 

「豚」の転落が、生産状況、宗教を含む文化コードによる影響など複合的に作用してヨーロッパ、とくにフランスで起こったということが、あらまし理解できたような気がします。

 

「豚」なら「豚」という食材を通して、ある地域、ある国の、時代の変遷のなかでの食文化的な位置・役割を、俯瞰的に勉強していくことは、おもしろいと、参加者の皆さん、思っていただいたのではないでしょうか。

 

北代さんには、また、別のテーマで、この「辻調<新>塾」には登場していただこうと思っています。

 

恒例の第2部・交流会は、文藝春秋のすぐ近くのイタリアンで。レストランにお願いしてメイン料理は豚にしてもらいました。

2・・・ブレスト「食と写真」 

ブレストの会 「食と写真」

新企画 ブレストの会「食と写真」

 

第1部 ブレスト

 

新企画「ブレストの会」第1回目のテーマに選んだのは、「食と写真」でした。

 

当日は、8人のカメラマン、6人の出版編集・新聞関係者、3人の放送関係者、3名の料理関係者、デザイナー1人の総勢21名の参加でした。

 

ブレストの進行は、<新>塾の小山が担当。

 

第1部では、皆さんにとって「食と写真」はどんな関係にあるのか。参加者全員に自己紹介をかねて話をしていただきました。

光学式からデジタルに。写真が手軽になった分、プロの写真がどうなっていくのか。とりわけ、「食と写真」はどうなっていくのか。出版・新聞からネットにメディアがシフトするなかで、「食と写真」はどうなっていくのか。

さまざまな観点で、またそれぞれの立場で、自由にお話をしていただきました。

 

(人数が、20名を越えていたので、本来の意味での「ブレスト」ではなかったかもしれませんが、交流会を含めた「<新>塾」流のブレストでもいいのではないでしょうか。)

 

第2部

 

第2部のパート1では、写真家・伊藤真理さんに「雲南と写真とコーヒー」と題して、雲南省のコーヒー農園などの自作の写真を見せていただきながらお話を伺いました。

また、交流会では、伊藤さんが雲南省で買ってこられて珍しいお菓子も登場。

さらに、雲南省のコーヒー農園で収穫されたコーヒーの生豆をいただいて、小山が焙煎して皆さんに飲んでいただきました。

 

パート2では、「eat-photo」所属の4人のカメラマンの方々に活動報告をしていていただきました。

また、参加されたメンバーの関尚道・伊藤高明・木村文吾・宮崎純一の皆さんそれぞれの作品も紹介していただきました。

「eat-photo」の新しい取り組みには、参加者から、さまざまな質問・意見が活発にでました。今後とも、彼らの活動に注目していきたいものです。

eat photo のホームページはこちらです。

http://www.eatphoto.jp/

 

第3部 交流会

交流会でも引き続き、参加者から提供された写真、資料などをモニターで観ながら活発に議論が続きました。

 

この「プレストの会」、9月以降も随時、開催していきます。

いまのところ、候補に挙がっているテーマは、「食とテレビ」「食とWeb」「食と出版・雑誌」「食と新聞」「食とメディア」「食と学校」。

また、「ブレスト」というより、「大いに語ろう」という感じのテーマとしては、「食と映画」「食と文学」「食とことば」。

などなど、テーマはいくらでもありますが。。。

 

企画提案、ファシリテーター志願など、「辻調<新>塾」のメンバーの皆さんからの声をお待ちしています!

 

 

 

 

 

 

1・・・「珈琲屋バッハ物語」田口護(ナビゲーター・櫻井孝昌)

辻調<新>塾 第1弾 東京・山谷の珈琲屋バッハで開催

「辻調<新>塾」の記念すべき第1弾は、日本を代表するコーヒー専門店「珈琲屋バッハ」を会場にして、店主の田口護さんのお話を聞く、というものでした。

 

珈琲屋バッハは、東京・山谷にある喫茶店です。

この店は、自家焙煎の店としては、日本有数の名店でもあります。

また、店主の田口護さんは、コーヒー関係の著書が何冊もあり、テレビ出演や講演会などでも活躍されています。

さらに、全国に自家焙煎店の会員を持つ「バッハ・グループ」も主宰されています。

 

この、世界的にもユニークで素敵な喫茶店に乗り込んで、徹底的にその魅力を櫻井孝昌さんがナビゲーターに。コーヒーのこと、カフェのこと、地元の山谷という場所へのこだわりなど、聞きだしていただきました。

 

そのなかから印象に残った話をいくつか。

 

「珈琲屋バッハ」は、まず「コーヒー」にこだわるまえに、なによりも「ひと」を大切にしてきたということ。

そして、「ひととかかわる」ことから、必然的に、良質な材料のコーヒー、新鮮で、欠点豆のない丁寧に選別されたコーヒーを提供する。

カフェは、「人間を育んでいく場」でなくてはいけない。

 

東京・山谷という場所で、地元の人たちを大切にしながら、世界のコーヒー産地や日本中の同じ志のコーヒー店とも連携しながらグローバルに活動されている田口さんや「珈琲屋バッハ」のスタッフの方々。

 

第2部では、そんな田口さんが育てられたスタッフの方々や、なによりも、お店を田口さんと共に守ってこられた田口文子さんのお話や、お人柄にもふれることができました。

 

交流会では、コーヒーはもちろん、バッハ自家製のパンやドイツ菓子なども出していただきました(このお店の店長以下、スタッフの多くの方が辻調グループ校の卒業生でした)。

 

まさに、参加者全員が、喫茶店、カフェの持っている力を再発見した夜でした。

 

珈琲屋バッハ・所在地

東京都台東区日本堤1-23-9